思考の整理

蓋事情

区切りというものは、便利なものだと思う。新、ということばに乗っかって、二の足を踏んでいたことにもえいっと飛び込めるし、もやもやしていたことも水に流してしまえる。春という季節も良いのだと思う。どんより曇り空、寒くて常に首をすくめていた季節が…

抜きどころ

久しぶりに母たちのサロンを開催した。続けていくのは大変だという印象があったが、抜くところを抜いて、自分自身も肩の力ゆるゆるで場を持ったところ、びっくりするほど楽しかった。そして、最近ずっと考えているコミュニティーナースの産科版のヒントが少…

当事者性

やるべきことは山ほどあるのだけど、思考が前に進まない。本を読んでも料理をしていても、ぐるりと同じところに戻って来る。理由はわかっている。先週末に幸雲南塾の最終発表プレゼンへ二年ぶりに行ってきた、その余韻だ。二年前、隣りで一緒に発表を眺めて…

オイボッケシ

“Oibokkeshi” 老い、ボケ、死。ふつうだとネガティブな印象で目を背けたくなることたちだが、向き合うことでむしろプラスに向かうことができる。そう謳っている、岡山県の奈義町で菅原直樹さんが作った老人が主役の劇団だ。最近、離れて暮らす祖母が認知症に…

私はちょうちょ

ミナペルホネンの皆川明さんのお話を米子に聞きに行って来た。本当に謙虚で素晴らしい方で、感動した。ミナの服は高くてなかなか手が出ず、マスキングテープを大人買いする程度だったが、これだけ想いを持って作られているものであればお金を貯めていつか是…

偉大なる平凡

先日、鳥取県立図書館で行われた鞍田崇先生の『いまなぜ民藝か』という講演を聞いて、目の前のもやがスッと晴れた。自分が今、人生の岐路というか迷いの最中にありナーバスな状態であったこともあり、余計。 「与えられたレールの上をスマートに生きるよりも…

民藝とトットリと私

事前に民藝関連の本を二冊読み、完全なる付け焼き刃で飛び込んだ日本民藝夏期学校は、思っていたよりも若い人が少なかった。後で聞いたところ、これでも例年より多いそうだ。 今回のテーマは「バーナード・リーチ 東と西を超えて」。英国人で画家・陶芸家で…

民藝といふもの

鳥取で行われた日本民藝夏期学校なるものへ参加してきた。新参者として感想文を書くという大役を仰せつかったのだが、いかんせん、大御所の先輩方が見る機関誌に載ると思うと肩に力が入ってしまっていけない。頭を整理するために、民藝について自分なりに思…

西瓜

マラソンをしている時は、あたまの中が自由になる。必然的にいろんなことをゆっくり考える良い機会になるから好きだ。 一〇キロメートル。バリバリ運動していた昔の私にとっては屁でもない距離だが、今の私にとってはこれが精一杯。でもこの一〇キロメートル…

パンドラの箱

看護学校時代、小児の精神科の実習に行ったときに、精神科の専門看護師という人に出会った。臨床心理士も同じチーム内にいた。精神科の専門看護師と、臨床心理士。その違いが私にはわからなかったので、どう違うのか?と聞いた時のその方の返答がとても興味…