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ズンチャッチャ

音楽は自由だ。鳥取に来て、今まで知らなかった音楽にたくさん出会った。テレビを見なくなったけど、その分目利きの人から薦めてもらってめくるめく音楽の世界が広がっている。敢えて前情報がないゼロの状態で聞いて、自分がどう感じるか素直に身を委ねる。目利きの方がいて、その人の薦めてくれる音楽ならば、きっとオモシロイだろう、という絶対的な信頼感。今回も例外なくとても良い音楽に出会うことができた。

 

聞いている自分の心理状況を追ってみると、おもしろい。信頼感はあれど、やはり自分も最初は半信半疑なので、これは自分の知っているあのバンド(あの人)と似た感じかな。ああ、こういう感じかな、と思う。頭から入っていく。これは、きっとクルミドコーヒーの影山さんの言う「消費者的人格」に近いと思う。どれ、どんなもんかしら、と値踏みするような感覚。あまり好ましくはないけど、そう思ってしまう自分がいるのも認めよう。最初は細かいことが気になる。演奏している表情や、細かい仕草。声の出し方や息の吸い方。だんだん演奏者の背景が気になってくる。どんな生活をしているのだろう。この3人は家族なんだろうかとか、生活の中にどんな感じで音楽が溢れているのだろうか、とか。そうこうしている間に細かいことはどうでも良くなっていた。ぐっと引き込まれていた。そうならずに、終始細かいことが気になって終わってしまう音楽もあるので、そんな私のうだうだをぐるんと巻き込み飲み込んで、そっちの世界に連れて行ってくれるものが自分的にはホンモノ、好きな音楽だと認識している。

 

感動したのは、ドラムの7歳くらいの男の子のリズム感だ。ピッチがぶれずに正確に刻むリズム。ルパン三世のようなモミアゲにひょろっと細長い風貌。子どもだから、と微笑ましく眺めるではなく本当に重要な役割をしていた。そして、コントラバスの重低音。自分が合唱でアルトをやっていたこともあり、一見目立たなくて地味な低音を敢えて聞く癖がある。本当にいい味出している。アコーディオンとボーカルの女性らしさをずっしり支え、ちょっとやそっとじゃ太刀打ちできない圧倒的な重み。コントラバスの音だけを追っていたら、心地よすぎて涙が出そうになった。良い音楽は、今の自分の心に本当に沁み入る。昨日の私が感動したあの瞬間の光景、感覚は、きっとずっと忘れないだろう。そして改めて、私はワルツが好きだなあと思った。

 

そこにいる人をぐっと引き込み、異空間に連れて行ってくれる音楽は本当に強い。特に、小さなカフェやバーといった日常的に音楽を演奏する場所でない場所で、間近で触れることができる音楽は、大勢のライブ会場とは違うリアリティがある。縄張りも国境もすべてから解放されて、自由。これからも沢山こういう音楽に出会っていきたい。

 

スパン子

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