2018-01-01から1年間の記事一覧

済ます

最近、玄関の扉を開ける時はガラッとたくさん開かずにそうっと少しだけ開けるようになった。猫を五匹飼っていて基本的には家飼いなので外から帰ってきて扉を開けると待ってましたとばかりにやつらが飛び出してくるからだ。帰ってきたことにも気づかれないよ…

今でこそ、すっかり隠居生活というか完全なる文科系に落ち着いていて、こちらの方がよほどしっくりくるのだが、中高大学時代の私は、それはもう運動ばかりして過ごしていた。 大学時代は、ラクロスという、網がついた棒を持ってボールをゴールに投げ入れるス…

修行僧

オンコールなので二十一時頃に早寝をして、結構寝たなと思って時計を見ても一時間くらいしか経っていなくてまた寝る、をさっきから繰り返している。刻みすぎて飽きたので、起きることにした。のび太のようにパタンキューできることが取り柄なのだけど、最近…

蓋事情

区切りというものは、便利なものだと思う。新、ということばに乗っかって、二の足を踏んでいたことにもえいっと飛び込めるし、もやもやしていたことも水に流してしまえる。春という季節も良いのだと思う。どんより曇り空、寒くて常に首をすくめていた季節が…

しだれ桜

スタッドレスタイヤをノーマルに取り替えて、ようやく冬を終えた気持ち。春が嬉しくて過ぎていくのがもったいなくて、最近仕事前に家を三十分早く出て、春を味わっている。昨日温泉でおばちゃんが教えてくれたしだれ桜のきれいな場所。知らない場所をいくつ…

過程

先日、大山に住む絵描きの朝倉弘平くんのライブペイントに行ってきた。生原幸太さんのヴィオラに合わせて弘平くんがその場で絵を描いていく、というもの。耳をすませて、聞こえた音に対してまっさらな白いキャンバスに色がついていく。この音を鳥の鳴き声と…

9分後

あの時、あの判断でよかったのかな、と今でもあの場面を鮮明に思い出す。 私たち助産師は、チームで動いている。自分の時間帯で生ませてあげたいという意識が働くと、絶対に焦る。完全に自分のエゴだ。前にそれで何度も失敗している。早く生まれるような助言…

ケの方

研修にかこつけて、九州へ行ってきた。福岡経由の熊本、大分、ちょこっと鹿児島。行きたかった窯元さんに伺い、作られている様子や陶工さんが普段眺めている風景を見られて、とても嬉しかった。 特に印象的だったのが、大分の日田の山奥にある小鹿田焼。十四…

管轄外

先日、にっぽんネウボラネットワーク研究所設立一周年記念シンポジウムに行ってきた。コミュニティナースの産科版のヒントを得られるかなと思い、日帰り京都。バスを使わず奮発してはくとに乗ったら、移動時間も有意義に過ごせてとても快適。早朝に鳥取を出…

非日常

一昨日の月は実にへんてこな月だった。暗い橙色で、三日月というよりは謎の半円で、あれって月?というような低い場所にあって、五度見ぐらいしてしまった。夕べは、高くて明るい三日月。一昨日のは一体なんだったのだろう。 一昨日の夜は、そんなへんてこな…

先生様

凍っていた階段でつるんと滑って尻餅をついて、膝を痛めた。去年もやったところ。足が痛いと、瞬間的に一歩が出ない。家でやかんのお湯が沸いてピーッと鳴った瞬間。ナースコールが鳴って受話器を取ろうとした瞬間。今まで意識していなかったそういうコンマ…

機能

服を、防寒の観点でしか見ていなかった。 東京に帰って思ったこと。たまたま東京が暖かかったこともあるが、そうだ、服っておしゃれするためにもあったよね、とはたと気付いた。最近寒さにとらわれすぎて、とにかく少しでも暖かい格好をとばかり考えていた。…

東京

急にお休みができたので東京に帰ってきた。服に小さな水玉のような丸い雪がまとわりつく鳥取を後に、弾丸帰省。遅れてきたお正月。飛行機がちゃんと飛んでくれるようでほっとする。最近、飛行機とはてんで相性が悪い。飛行機が離陸して、雪雲の中に突入する…

抜きどころ

久しぶりに母たちのサロンを開催した。続けていくのは大変だという印象があったが、抜くところを抜いて、自分自身も肩の力ゆるゆるで場を持ったところ、びっくりするほど楽しかった。そして、最近ずっと考えているコミュニティーナースの産科版のヒントが少…

当事者性

やるべきことは山ほどあるのだけど、思考が前に進まない。本を読んでも料理をしていても、ぐるりと同じところに戻って来る。理由はわかっている。先週末に幸雲南塾の最終発表プレゼンへ二年ぶりに行ってきた、その余韻だ。二年前、隣りで一緒に発表を眺めて…

オイボッケシ

“Oibokkeshi” 老い、ボケ、死。ふつうだとネガティブな印象で目を背けたくなることたちだが、向き合うことでむしろプラスに向かうことができる。そう謳っている、岡山県の奈義町で菅原直樹さんが作った老人が主役の劇団だ。最近、離れて暮らす祖母が認知症に…