2017-01-01から1年間の記事一覧

私はちょうちょ

ミナペルホネンの皆川明さんのお話を米子に聞きに行って来た。本当に謙虚で素晴らしい方で、感動した。ミナの服は高くてなかなか手が出ず、マスキングテープを大人買いする程度だったが、これだけ想いを持って作られているものであればお金を貯めていつか是…

素因数分解

長野県諏訪市にある建築建材のリサイクルショップ、 “ReBuilding Center JAPAN”通称リビセン。松本にある大好きな本屋さん栞日 sioribiさんが、前から素敵だったけど大々的に改装し、開放的でさらに独創的な空間として生まれ変わった。それを担ったことで有…

臨界期

藍染めをした。友人の結婚式のスタッフの目印用として、今回限りの使い捨てにならないで長く使えるものを。ということで、同居人たちと染め物日和の晴れた日曜日に家のガレージで作ることにした。 染め物に、実はたいして興味はなかった。小学生の頃に絞り染…

文殊の知恵の輪

初めて鳥取で友人の結婚式があった。同じような時期に同じ関東から鳥取に来た、同年代の友人。似たような感覚を持っているから楽しくて、よく集まっていた飲み友達。みんなで豆を育てたり、スイカの収穫を手伝ったり、大晦日は毎年みんなで集まって除夜の鐘…

偉大なる平凡

先日、鳥取県立図書館で行われた鞍田崇先生の『いまなぜ民藝か』という講演を聞いて、目の前のもやがスッと晴れた。自分が今、人生の岐路というか迷いの最中にありナーバスな状態であったこともあり、余計。 「与えられたレールの上をスマートに生きるよりも…

かすがい

頑なだったお母さんが、迷いに迷って決めた祖父母宅への里帰りを経て柔らかく変化していた。 「ひとりでいると全部自分でやらないとと思うし、世話になることは申し訳ないと思っていたけど、案外みんな赤ちゃんにどんどん構ってくれて、おじいちゃんにも来て…

ごはんどき

大皿にできた料理をざっと盛り、それをみんなでつついて食べる。足りなければおかわり自由で、さあどうぞ、というやさしくて自由な雰囲気。お話しながらみんなでつついて食べるごはんは、楽しさも格別だ。一人や二人増えたってたいして変わらない。あるもの…

里帰る

どさくさに紛れて四連休を取り帰省してきた。どさくさ、というのは四月末に二日、五月頭に二日連休を取るというもので、シフト上長期休暇を取っていることがばれにくい。この技を最近あみ出して、時折している。なんと小手先だけの技だとも思うが、連休が取…

因幡のリンゴ

リンゴの花びらが〜。リンゴの花と言われれば思い出すは「リンゴ追分」のこの出だし。以上。 昨日、「リンゴの花を見に行きませんか?」と同居人に誘われた。特段リンゴの花に興味も湧かなかったので一度は断ったのだが、なんと家から徒歩十分圏内にリンゴ園…

ナイスアシスト

取り上げ婆に、誰がなるかという話。 とにかく最初は脇目も振らず、赤ちゃん一〇〇例取り上げなさい、と言われていた頃。思えば一例でも多くお産を取り上げたい、と必死で突き進んでいたように思う。春から新人さんが来て、昔の自分を思い出す。お産は、チー…

民藝とトットリと私

事前に民藝関連の本を二冊読み、完全なる付け焼き刃で飛び込んだ日本民藝夏期学校は、思っていたよりも若い人が少なかった。後で聞いたところ、これでも例年より多いそうだ。 今回のテーマは「バーナード・リーチ 東と西を超えて」。英国人で画家・陶芸家で…

民藝といふもの

鳥取で行われた日本民藝夏期学校なるものへ参加してきた。新参者として感想文を書くという大役を仰せつかったのだが、いかんせん、大御所の先輩方が見る機関誌に載ると思うと肩に力が入ってしまっていけない。頭を整理するために、民藝について自分なりに思…

ご指名

ご指名というものを、受けた。クリニックに勤務して三年目にして初めてのことだ。二歳違いでお子さんを産む方が多いので、今年の目標としては自分が一人目のお産に関わった方が経産婦さんになった姿、その経過や変化をみたいと思っていた。しかし、いかんせ…

路地裏

筋肉トレーニングとして、日々少しずつでも文章を書いていこうと思っている。その一環としてのブログなのだが、毎日というのがやはりなかなか難しい。ほぼ日刊イトイ新聞を目指して、短くても良いのでほぼ日刊、最低週一回ぐらいのゆるい感じで続けていきた…

つながり

お産に立ち会ったお父さんは、多くの場合生まれてくる赤ちゃんに気持ちが向くことが多い。「オギャー」という一声で今までの不安や疲労が吹き飛び、全ての感情が赤ちゃんに集約するように感じていた。しかし、先日立ち会われたあるお父さんは違った。 「お腹…

愛でる

ここの所、床の雑巾がけをしている。雑巾がけなんて小学校の時の掃除の時間以来ではないかと思う。その頃は、床は汚いし雑巾は牛乳臭いし(記憶の中ではそうなっている)、男子はちゃんと掃除しないし(定番の)、雑巾がけなんて大嫌いだった。実家は絨毯だ…

迎春

春が来た。 新生活。引っ越しだ。二年間住んだマンションを引き払い、友人と三人でシェアハウスをすることにした。一人暮らしが大好きで、シェアハウス、ルームシェアなんて一生しない、する人の気が知れない、と思っていた私がおかしな巡り合わせだ。やはり…

さとええやん

「さとにきたらええやん」を見てから、胸のあたりのもやもやが消えない。見てすぐはなかなか言葉にならなかった。パンフレットを読み、SHINGO★西成の歌を改めて聞き、映画の場面を思い出して涙が溢れてきた。今まで自分が経験した色々な場面を反芻して、じわ…

雪こんこ

夜勤の間に雪がしんしんと降り続き、帰る頃には膝まであるAIGLEの長靴が全部埋まるくらい積もっていた。この長靴がこんなに実用的だということを、買って十年近く経って初めて実感した。 私が帰れるようにと職場の方が車の周りと窓に積もった雪をかいてくだ…

渇きの閾値

あまりに唇がカサカサするので、リップクリームを購入した。中高生の頃は友人につられて良く使っていたが、最近すっかりご無沙汰していた。無頓着になっていたが、見過ごせないほどの自分の唇のカサカサ具合に、そうだリップクリームでも買おう、と思い立っ…

穴場

誰かと一緒にいると、想定外の出会いや展開があっておもしろい。自分一人では特にアクションせずに終わることも、もう一歩違う行動が加わることにより、広がりがでる。アテンド側として自分の知っている知識では補えない場合、「なんとかしよう」という想い…

黒子の葛藤

出産を終えた産婦さんに、マッサージしながらお産の振り返りをする。肌に触れながら目線は合わせずに交わすことばのやりとりは緊張感から解放されるのか、思いもかけないことばが飛び出してきて、おもしろい。お産に一緒に立ち会っている人(主に夫や実母)…

リアルタイム

箱根駅伝が好きだ。何が好きかというと、一人一人のドラマがあるからだ。走る、という地味なことをひたすら毎日続けてきた若者たちの表情をあんなにアップで長時間見られるスポーツはない。彼らの裏話を実況中継から聞き、想像力を膨らませ、彼らの日々を思…